死ぬまでに見ておくべき50の芸術作品、感想
死ぬまでに見ておくべき50の芸術作品 | p o p * p o pという記事が話題になっていました。
どれ、たいしたことなかろう、偏った内容だろう、…とか、批判する気満々で見たのでしたが、美術、特に絵画に関しては専門的に学び、実践してきた経験を持つ立場からして、これはすばらしいチョイス。良くできていると感心しました。タイトルを聞いただけでグッとくる名作。粒より。良い。
実は言われるまでもなく自分で「死ぬまでに見ておきたい」と切望する作品があり、実際にそういうことを口に出すこともありますが、それらがすっぽり入ってて嬉しいところでした。
ヒエロニムス・ボスの快楽の園 / ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂 / フェルメール のデルフトの眺望 / ランブール兄弟のベリー公の美わしき時祷書 / ピーテル・ブリューゲルの雪中の狩人 あたりは是非とも見たい、生涯の夢です。
ベラスケスのラスメニナス、北斎の富嶽三十六景あたりも入ってて当然かな。
ただ、いくつかは疑問点や、そこはそうじゃないだろう、と思うところがあったので、気になったところをピックアップ。
20世紀美術でいうとJ・ジョーンズ、リチャード・セラは入っててもウォーホールは無しか。うーん…それはどうなのよ?
近代のチョイスがどうにもなぁ。ゴッホの星月夜という渋く光るチョイスをしつつ、ムンクの叫びはどうか。悪くはないけど、微妙なところなんじゃないか。これを外してでも入れるべき作品があるでしょうに。
ピカソのゲルニカ は首を傾げざるをえない。確かにゲルニカもいいんだが選ぶならアヴィニヨンだろう。モネの睡蓮は、さすがに要らないな。これを外してスーラのグランドジャッド島を入れるべきだろう。
ちなみに「グランドジャッド島の日曜日の午後」はシカゴ美術館の門外不出品。シカゴに行く機会があれば、忙しくてもこれだけは見ておきましょう。
ていうか近代最大の取りこぼしは、デュシャンが無いこと。泉であれ大ガラスであれ無くていいのか?さすがにその辺は引っかかる。
レンブラントはホメロスの胸像を見つめるアリストテレスというのもアリだろうけど、自分なら放蕩息子の帰還のほうがいいかな。その辺は好みだとしても、ダ・ヴィンチが東方三博士の礼拝というのはちょっと納得がいかない。そもそも未完だしなぁ。なぜ最後の晩餐でもジョコンダでもないのか、ちょっと疑問。
あと全般的に建築物は弱いな。絵画寄りの観点から見てもコルビジェのロンシャン教会は入れて欲しいしガウディのサグラダ・ファミリアもあっていい。
遺跡っぽいところを断片的に入れるのは少し無理があるので、西洋美術の文脈に絞って、カッコつけて秦の始皇帝の兵馬俑とか入れたりしないで、外したほうがよかったんじゃないか。
とか、グダグダ思いながらも、ちょっとまた生涯の夢を楽しく想像しました。
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