辞める前に識って欲しいこと
辞めたいという話を聞くことがあります。
何で?と返すと多くは「誰と上手くいかない、気に入らない」だとか「会社がダメである、改善しようとしても変わらなかったし、変わらない」という話です。もちろん会社を辞めることは悪いことではないし、そういう選択もアリだろうけど、こういった理由で辞める人には識って欲しいことがります。しかしいつも伝えられずに役に立てず、非常に残念な思いがします。
私もそういった気持ちには心当たりがあります。昔、ある会社にいた頃に先輩社員に相談したことがありました。辞めたいと。
私は言いました。上司Aさんと一緒に仕事は出来ない。と。上手くやっていけないし、彼の横槍で仕事は滞り、彼のやっていることが理不尽で効率を下げ悪影響をもたらし、彼が上にいる限り私の未来はこの会社にない。と。そういうと、先輩社員は、驚くべきアドバイスをくれました。
しばらく待ってみな。問題のほうから去るかも知れないから。自分も同じようなことがあった、何度もあった、その時、辞めようかと思った。でも、辞める前に問題のほうから消えていったりするんだよ。不思議なことに少し待てば、相手が居なくなっちゃうんだよ。そうしたもんだって。そんなもんだって。
私は反論しました。いや、しかしですね。Aさんが自ら会社を辞めるなんて、ありえないでしょ?彼には全てが上手く行ってる。ある意味彼の天下だし。それに独立するような野心もないだろうし、どう考えても、この会社にいる動機は、彼にこそあって、自分はそれほどでもない。そんな話はとても信じられない。
しかし先輩社員は、まぁそう急がずに、暫く待ってみな。と言いました。私はそんな話は根拠の無い慰めに過ぎない、と思いましたが、とりあえず従ってみました。
すると、信じられないことにその通りでした。予想もできない事態によって、私ではなくAさんが先にステージを下りていきました。
その後も同様に、自分にとって辛い時期厳しい環境の時でも、ちょいと辛抱してれば問題の方から去っていく、ということが幾度かあり、いつしか私も「そういうものなのだ」と思うようになりました。
さてこれはどんな不思議な因果なのでしょうか。それとも私の相談した先輩社員は、なんらかのトリックや何かによって、Aさんが去ることを知っていたのでしょうか。どちらも違いますね。先輩社員は識っていたのです。状況は変わっていくものだということを。
何かを変えようと努力して変わることもありますが、変えようとして変わらなくとも、状況は変わっていく。逆に、変えまいとしたところでも結局は変わっていく。「会社が(あるいは誰かが)変わらないから、変えようとしたけど無駄だったから」辞めるというのなら、ちょっと待ってみてほしい。一年、でなければ半年でも。変わらないと思っていたことが、思いもしない何かや予想外の事態、事故、偶然、事件によって案外アッサリ変わってしまう。明日は今日と似た日かもしれないけど今日とはどこか違っていて、微妙にズレながら変化は必ず起こっている。何も変わらないと思っていたら見えないところでものすごく変わっていたり、変わらないように見えてある日突然ガラッと変わることもあります。
そして逆もまた言えます。つまりどんなに居心地のよい、順調な場所であっても永続的に続くものでもない、ということです。辞めていった先が今より少し良いかもしれなくとも、やがてそうではなくなってしまう。そして同じことが繰り返される。ならば、もうちょっと待ってみてはどうか。なんて言ったところで、これがなかなか、説明しても理解してもらえない。無理もない、たぶん以前の私も言われて分からなかったしピンとこなかった。難しいものです。
諺で「果報は寝て待て」というのがありますが、私はこれには共感するところがありません。ところが似た諺で「待てば海路の日和あり」というのは、なるほどそういうものだと思います。状況というのは海の天気のように変転していく。変わらないなんてことは、ありえない。そしてその変化は思ったよりも早く起こるもの。だまされたと思って、まずは、待ってみな。まぁそう急がずに。
コメント (2)
私も、去ってほしい上司がいるんですけど、待ってればあっちから消えてくれますかねぇ・・・。
投稿者: むろやん | 2006年10月29日 00:25
日時: 2006年10月29日 00:25
フリーのミュージシャンのむろやんにそういう上司がいることにビックリですが、ゆっくり構えてみてみては。
投稿者: metro | 2006年10月29日 07:21
日時: 2006年10月29日 07:21