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会社ワラシ

飲みの席で、関係のちょい薄い人(友人の友人)から聞いた話。その人の会社には、「会社ワラシ」が居る、という。

私が「会社ワラシ?あーあー、座敷ワラシみたいな?居るんだか居ないんだか分からないような人でしょ?」と聞くと、そうじゃないんだと、説明を始めました。その人が言うには…


Cさん、という人がそれなんだけども、仕事がそんなに出来るってわけでもないわりに声も大きく自己アピールが強くてプライドも高い。しかし上の人間には評判も良いらしく覚え目出度く適当に出世しており、相応以上の役職についているんだそうだ。

それなりの役職がつけば、何かの方針を決めたり重要な打合せを含む会議などには出席することになる。Cさんも当然、参加するわけだ。

ところがCさん、悲しいかな空気が読めない上に話題のテーマを把握するのが苦手なようで、さらに自己主張も強いものだから、ピントの外れた意見を頻繁に出すわけだ。それは枝葉末節をつつくようなことだったり揚げ足取りに等しいことだったり、議題のわき道に逸れまくる内容だったりで著しくハズレまくる。その上会議での雑談も好きときている。

かといって、その点を指摘したりたしなめると、強硬に長い弁解を始めたり枝葉末節に突き進む長い話で本題から外れていったり、見え透いた言い逃れを始めたり(これも長い)で始末に負えないのだそうだ。勿論周囲の無言の/言語化した 圧力なども効果はない。

会議のもつ消費リソースは実は大きい。例えば16人集めて30分の会議をするとしましょう。換算すると8人・時間(1人日)になります。つまり一人が丸一日費やす労力に等しいと言ってもいい。その会議が不毛なものになれば、誰か一人が会社を突然休んだのと同等のダメージになります(現実はそれ以上のダメージであることも多い)

皆の手を止めて集めている以上、少なくともそれ以上の意味や成果を見出すべきであることは、ある程度のキャリアのあるものであれば皆良く知っていることでしょう。

さて、では彼の出席する会議では。彼が例によって外れた発言をした場合、周りは何事もなかったのかのようにツッコミもせずにスルーして別の話題を別の人に振ります。適当に彼の話は聞いているフリをしながら。それは第三者から見るとかなり異様な光景なのではないでしょうか。そこでは、一人の声の大きな男が身振り手振りでよく発言しながらも、誰もかもが彼が居ないかのように振る舞うわけです。もしかして、彼の姿はその場に居る大人たちには見えてないんじゃないか?と。

「ああ、確かに。それで会社ワラシか。なるほど奇妙に妖怪じみてるな。」

私がそういうと、彼はシニカルな笑いを浮かべながら聞いてきた。

「そんな会社ワラシがいるのって、ウチの会社だけなんですかね?わりとどこの会社にも居るんでしょうか?」

うーん。私もそんなに多くの会社のことを知ってるわけではないしなぁ。