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20xx年自宅の旅

目が覚めると、20xx年だった。私と妻にどこか似た感じの中年男が立っている。

「父さんおはよう。驚かないで。何故かわからないけど父さんは未来にきちゃったんだ。でも心配しないで、すぐに元に戻るから。…って、昔の父さんのブログに書いてあった」

多少の混乱から落ち着いてみると、目の前の机にあるものが気になった。広めのパネルが立てかけてあり、側に薄型のキーボード。どちらもコードは無く、机には他に何もなかった。

私「あれは?」

男「パソコンですよ。本体は探してもありませんよ。キーボードに入ってますから。今の時代、PCなんて見えないくらい小さいですから。でも父さんの時代からは考えられない速さなんですよ。ムーアの法則は今なお生きてますよ。通信速度も速くなりましたから、サーバ上にある高解像度の動画だってスイスイ動く。いい時代ですよ。そうだ、ちょっと見てみますか?」

男はスイッチ(らしいもの)に触れた。画面には細かい文字が追いきれない速さで流れていく。さすがに早い。Wiiigle OS のロゴが光る。もうすぐ起動するようだ。画面は、見慣れたような見慣れないようなアイコンを表示しては消えていく。

ふと動作が重くなる。ん?画面を見ると見慣れたような単語が並ぶ。セキュリティにプライバシープロテクトにOS保護にハイパースパム除去にファイアウォールにウォータークリークにイージスシステムに税関にゲート認証にアップグレードの確認に更新ダウンロードに…まだまだある。

男も起動ボタンを押したままの姿勢で動かない。どうやら指紋認証と瞳孔認証の照合中のようだ。

男「昔と違ってセキュリティシステムも高度化したんで、ちょっとかかりますかね。それでも起動にかかる時間は父さんの時代よりも…」

あんまり変わってないような気がする。やがて男は、2.0ちゃんねる ( beta ) という猥雑な画面を得意げに示した。細かい動画が滑らかに動き、快適な画面が続く。そのとき突然画面に赤い文字が…

「ネット戒厳令発動:テロリスト追跡中 -大変不自由をおかけします、いますぐネットワークを遮断します」

「プライバシー保護確認します」

「作業エリアを確保します…」

いくつかの理解できないメッセージが流れたのち、最後のメッセージは私にもわかった。

「シャットダウンします」

男「かっこわるいところを見せちゃったな。でも、今日はたまたまですから。こういう日もありますよ」

あ。どうやら眠ってたようだ。そばのPCを見るとiTunes のダウンロードはまだ終わっていなかった…

インスパイア元:
antipop - [Web2.0] コンピュータは、非力過ぎて使えない!

コメント (2)

アドミィ:

ふむ、なんか、的外れかもしれんが
星新一のにおいがした、みたいな。
(いいんだ、僕はそう感じたんだから・・・)

それは過分な誉め言葉。ちょっといい気になっておきます。

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